プラスチックリサイクル材で環境配慮型商品を生産
昨今のプラチックの問題やSDGsをきっかけに環境配慮型商品への注目がとともにプラスチックリサイクル材(再生材)が見直されています。
一部の企業では自社の使用済み製品を回収し、回収した製品をリサイクル材化し新たな商品を作ったり、販促品などに利用されています。
弊社にもリサイクル材に対するいくつかのお問い合わせを頂いております。
プラスチックのリサイクルはできるの?
生産の現場でではリサイクル材は再生材という呼び方が一般的です。元々、プラスチック成形の現場では再生材は一定量利用(20%以下の再生材比率が一般的)されています。
弊社でも何十年も前から再生材での成形も行っており、自社商品は社内でプラスチック製品の簡単なリサイクル加工を行い、社内で再利用しています。
しかし、再生材は特有の手間がかかるためメーカーさんによってはリサイクル材の取扱の得意、不得意レベルはにはバラツキがあります。
一方で昨今のお客様の要望には自社排出のリサイクル材を100%使用しオリジナルの商品を製作したいというもの。この要望はメーカーサイドの得手・不得手の差がさらに大きく出るリクエストになります。(弊社では対応可能です。)
リサイクル材・再生材を扱う手間とは?
不具合が発生しやすくなる。
プラスチックとひとことで言っても、PP・PS・PET・PA・PE・PC・ABSなどなど多種多様な材質があり、その材質も多くのグレードと呼ばれる種類に別れます。
この多種多様なプラスチックの種類は異なる材質を混ぜてしまうと多くの場合、不具合の原因となります。
不具合はどの材料に何が混るかによって変わりますが、たとえばABSにPPが混ざれば外観不良が発生するとともに、製品に剥離も生じます。
このように種類の異なるプラスチック材料を混ぜることは問題が生じることが多いためリサイクル時などの管理が大切になります。
また同一材を使って再生商品を作る場合でも、再生材は再生成形時の加熱により少し分子量が低下するため強度の必要な商品を作る際には必要になります。
色に制約がある。
再生材での商品生産時は、当り前ですが再生した材料の色が基準となります。
例えば青い商品をリサイクルして再生材にした場合、元の商品の青になります。これを白にしたいと言ってもできません。
白の顔料(着色材)を混ぜても水色にするのが限界です。
このように再生材の利用時には色の制約が発生します。
リサイクル材にする工程が必要
そもそも回収された商品をどのような商流でリサイクル材にするか。
どのような流れでリサイクル材にするかというスキームを組み立てる必要があり、これらにかかるコストも検討する必要があります。
小さな商品であれば弊社の粉砕機でリサイクル材にすることも可能です。また弊社の協力材料メーカーさんは商品のクラッシュ(粉砕)などのリサイクル化も行えますので、リサイクル化のスキームもご相談いただければ検討したいと思います。
再生材の特徴を知って再利用することが大切
商品開発する際には再生材の特徴(ここで紹介した特徴は一部です)を把握した上での商品開発することでヴァージン材のプラスチック材料を扱うかのような手間なしの商品にもなります。リサイクル材を使った商品開発の際にはこれらの特徴を踏まえ検討することをおすすめします。
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