プラスチック材料・材質の長所と短所

プラスチックには多くの種類があります。

ひとことでプラスチックと言ってもとても多くの材料、材質が種類があります。
身の回りにあるプラスチックを見てもらうとわかりやすいと思います。
スマホケースは同じスマホケースという目的を持つ商品ですが硬い材質のものから柔らかい材質のものまでいろいろあります。

硬いものはポリカーボネイド(PC)と呼ばれる材質が多く使われています。『耐衝撃でスマホを守る』みたいなことを謳っているものにはPCが多いですね。
柔らかいものはTPUなどが多いですね。PCとTPUの間の硬さですとPPやABS、PC/ABSなどもありますね。
またPCをベースに外周部にはTPUを使っている2つの素材のあわせ技タイプのスマホケースもあります。
なぜこれほどプラスチックの材料種類が多いかというと、それぞれの材質に長所があるからです。
長所があるということは短所もあります。また長所が短所になることも…

プラスチックの材料の長所は短所?

引き続き、スマホケースでお話します。
PCは『耐衝撃』と謳うように衝撃に強く落下時にはとても頼もしい素材です。一方で持ったときにはつるつるとした感触があります。
少し汗ばんだ手のときには、なおさら滑る感じがするかと思います。
一方、柔らかめの素材であるTPUはやわらかさで落下の衝撃などからスマホを保護します。また肌触りが滑りにくいのため握ったときには落としづらい感触になります。
この点だけで見れば、ある程度の衝撃保護性があり、滑りにくいTPUのほうがいいじゃん。と思われるかもしれませんが。。。
滑りにくいということはスマホをポケットから出し入れする際にも滑りにくいという作用が生じてしまうわけです。
つまり、電話がかかってきた際に慌ててポケットから取り出そうとしても出しにくいという事が起きるのです。
ありますよね?こんな体験(笑)
このように滑りにくさはグリップ性からみれば滑りにくいは長所ですが、機動性からみれば短所になってしまします。
これらの問題点を設計やアイデアで長所のみ変換しているのがPCとTPUの両方を使った商品です。
ポケットなど出し入れする際に大きな面積が擦れるスマホの背面部はPCを採用し出し入れしやすくしつつ、立ち上がり部分にはTPUを採用することで握ったときのグリップ感を出しています。よく考えられていますよね。
しかし2種類の異なる材料を使うということはコスト面では大きく上昇してしまします。(今回は材料についてなのでコストの面は割愛します。)

今回は特にグリップ感に着目して材料選定の違いを書きましたが、スマホケースにおけるPCとTPUのあわせ技は着色や印刷の視点、スマホとの嵌合の観点から材料選定を行っても非常にメリットが多い設計といえますよ。ただしコストパフォーマンスは落ちますね。

特徴を踏まえた商品開発をすることで素材の長所を短所とすることなく長所として最大限に活かし商品の付加価値にすることが可能です。簡単なことではありませんが心がけないと辿り着けません。

スマホケースを見ながらよく考えられてるな〜といつも感心させられますw