中国からの生産移管

中国での製造コスト合っていますか?

お客様からのご相談。
中国で作っている製品を国内生産に戻したいとのこと。

具体的に話を伺ったところ…
為替変動や人件費の高騰で発注の度に値上げ。
さすがに嫌気がさしたらしく…国内回帰を模索とのこと。

国内移管して価格は合うの?

お客様は国内製では価格面で合わないだろうな~と覚悟はしていたようです。
弊社が見積りを出したところ…まさかの中国製仕入れ値とズバリ同じ価格!
カラクリその1 流通

【中国製の流通ルート】
中国工場→輸入業者→お客様
さらに関税や輸送料が加わります。
【国内での流通ルート】
弊社→お客様
このお客様の商流はかなりシンプルです。もっと流通ルートの足が長くなっている場合も多いです。
そんな場合は見直しのメリット大きいかもしれませんよ。
国内でも流通ルートが長くなると価格メリットや情報共有のメリットが薄れてしまうので注意ですね。

カラクリその2 工数
人件費の上がっている中国。しかし機械化や効率化はさほど進んでいないことも多いみたいです。
成形品単品で考えた場合は国内の方がかなり安い場合もあると聞きました。
理由は工数、中国では精度の悪い金型や古い設備も多く製品が出来てもその後の仕上げ作業に何人も人をかけていることがあります。
例えば、成形機から出てきた製品を1人目がゲートカットして、2人目がバリを取って、3人目が検査をして梱包。
こんな感じで1つの製品に対して2~3人の人がかかていることよくあること。
国内ではここまで手をかけてことなく製品化してるのでコストに差がつきます。

移管してすぐに国内生産できるの?

この案件の場合、ロケートリングという成形機と金型の接合するリングのサイズが異なっていたのでロケートリングの修理を実施。ロケートリングの修理は比較的簡単な修正なもので済みました。

ロケートリングの取り換え、TRY(可動テスト)費用、金型輸送費など諸費まであわせて4~5万円くらいで生産準備が完了できました。
(輸送費は国内輸送費・この案件では愛知県内での輸送で完結)

移管、そのメリットは・・・大きいかも!

その後、国内生産をスタートしてどうなったのでしょう。先日、お客様とお話する機会があったのであらためて聞いてみたところ・・・

・カントリーリスクが無くなり、電話1本で用件が伝わり意思の疎通も取りやすくなった。
・現場から、販売先からなど様々な情報のやり取りがしやすくなるうえ、商品への情報のフィードバックもスムーズになった。
納期も1~2か月なんて曖昧な回答から、いつまで納品しますと明確に出来て安心。
・発注ロットも半分に変更したため在庫スペースや資金繰りも楽になった。

と言っていただけました。

価格では表示されない付加価値がたくさん増えたと喜んでいただけたことが、何よりもうれしいかったですw
中国だから安いという固定観念の見直しも必要なのかもしれませんね。
その後も、移管型は順調に生産しております。